知り合いに、結婚指輪の代わりにペアのロレックスをあつらえた人がいた。40年くらい前のことだ。男性は誇らしげに、ことあるたびにその時計を見せぶらかして、自慢していたと思う。確かに高価だったと思う。でも、女性のほうは恥ずかしそうで、結婚指輪のほうがよかったのにと、ぼやいていた。誰でもが指輪の交換をする時代ではなかったし、結婚指輪をはめている男性なんてほとんどいなかったから、男性にとっては、ロレックスの時計が誇らしかったのだろう。まして、男が女心を推し量るような時代でもなかったのかもしれない。自分がうれしければ、妻もうれしいに決まっていると…。そんな時代から世界のブランドだったのだ。