ヨーロッパで、パンに次ぐ主食として食べられているジャガイモ。ヨーロッパと旧ソ連とで、世界のジャガイモの三分の二が生産されている。とくにドイツ人がジャガイモを食卓に欠かさないことは、有名だ。そのため、なんとなく、ヨーロッパには昔からジャガイモがあったように思ってしまいがちだが、じつは、ジャガイモの原産地は、南アメリカのアンデス地方。スペイン人がインカ帝国を征服してから、初めてジャガイモがヨーロッパに伝えられたのである。しかもスペイン人は、ジャガイモを食物として持ち帰ったのではなかった。なんと、観賞植物として持ち帰ったのである。ジャガイモが食物として注目されたのは、やっと十八世紀後半になってからである。この時期、ヨーロッパで大凶作が起こり、小麦が不足した。パンが足りなくなったとき、人々が注目したのが、ジャガイモの地下茎だったのである。日本でも、戦中戦後の食糧難の時代に、サツマイモを米の代用にしたというのはよく聞く話だが、それと状況は似ている。このとき以降、寒さの厳しい北ヨーロッパで、ジャガイモは重要な食料となり、パンに次ぐ準主食として、さかんに食べられるようになったのである。
ハリウッドといえば、テーマパークのユニバーサル・スタジオが知られているが、そうした観光地だけでなく、奥に一歩入ると面白い所が沢山ある。例えば、山の中腹にある有名な「HOLLYWOOD」というサイン。その下まで行くと、まるで違ったロサンゼルスが楽しめる。一文字の高さは137メートルあり、間近から見上げると驚くほど巨大だ。ハリウッドサインの下は、山の斜面に豪華な別荘が立ち並ぶ「ハリウッドランド」という高級住宅地で、映画関係者も数多く住んでいる。サインの真下には牧場があって、そこで馬を借り、ロサンゼルスの街を眺めながら、馬にまたがってのんびりと尾根を散歩するホースライティング・ツアーもある。この牧場には、ハリウッドの有名俳優が撮影の合間に気分転換に乗馬をしに訪れる所で、馬のキープもある面白いところだ。住宅街の中には、飼っている愛犬だけを思う存分遊ばせる広い芝生のドッグパークもある。愛犬たちを車に乗せて、ここで思い切り遊ばせるのだ。芝生の脇では愛犬家同士が仲良さそうに話し合っているのも微笑ましい。山の中腹には、古城のような邸宅やフランク・ロイド・ライト設計の素晴らしい館などが並び、最も奥には水を満々と湛えたダムがある。ハリウッドサインは、このハリウッドランドという住宅地の看板だったものを、1932年に地元の商工会議所が買い取って、「LAND」の文字を取り、現在の姿にした。買い取る前の1932年には「D」の字の上から、ハリウッドの新人女優が飛び降り自殺をするなど、様々な物語のあるところである。住宅街の入口にあるカフェは、映画の脚本家やプロデューサーの溜まり場で、生きたハリウッドの裏側が窺える。
「五月雨を集めてはやし最上川」という芭蕉の句で知られる最上川は日本三急流だが、最近では冬場の雪見船が成功している。秋にはあちこちの河原で「芋煮会」が開かれる。大鍋で里芋、牛肉などを煮るのだが、とくに九月の第一日曜日には三万食を振る舞う「日本一の芋煮会フェスティバル」が山形市で催される。樹氷で知られる蔵王山は宮城県との境、日本海に影を映す鳥海山は秋田県との境にあるが、いずれも山形県の山としてのイメージが強い。温泉ではかつて鉱山がにぎわっていた頃の面影を残す銀山温泉に風情があり、新潟県境に近い温海温泉の温泉旅館「萬国屋」は地理的条件の悪さを克服した成功例として知られる。一般に東北各県は進学率や有名大学の合格率が低いが、山形県では受験体制づくりに力を入れ、とくに山形東高校などを重点校にした。このような方針に賛否両論はあるが、他の東北各県に比べて良い数字が現実に出始めているのはたしかである。